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技術を支える職人たち 〜時計技術者紹介〜

常務取締役 田村 豊

「さらなる向上を目指して」

弊社創業者、田村 亨の二男で現在、Webショップ「tamtime」の店長、田村 豊へのインタビューです。

時計業界に入って19年になります。父のやっていた時計修理という仕事は小さい頃からよく見ていたのですが、まさか自分が継ぐことになるとは思ってもいませんでした。

それまでは時計とは関係のない分野にて勤めておりましたが、時計業界も景気が悪くなったとのことで父から会社を手伝ってくれと言われたので、なんとなく、もしかすると渋々と始めたと思います。
学生時代には田村時計でアルバイトをしていた経験もあったので、おおよその時計知識はありましたが、とても細やかで精密な世界ですので始めは戸惑いもありましたね。
でも今では、時計修理技術者という仕事は自分にはとても合っていると思うようになりました。動かなくなってしまった時計に自分が手を加えることで再び動くようにするのですから、その醍醐味は他では味わうことが出来ません。

兄である社長、田村 眞に聞きました。
「小さい頃はミニカーが好きで、とにかくひとり遊びが上手でした。頭の中で空想してストーリーを作ってはお芝居をやるように、自分の世界に入り込んで黙々と遊んでいました。もともと探究心もあったから、奥が深い“時計”という小宇宙に魅せられてしまったのではないでしょうか」
時計修理の技術は父からも教わりましたが、ほとんどは独学です。どんどんのめり込んでクロノグラフや難しい機構の時計の修理も覚えました。ある時、ちょっと上手くいかない時期があったのですが、はじめて時計学校の短期講習に参加してみて、先生に確認してみたのです。考え方やその手段が間違えでなかったと言われ、「コツさえつかめば」と背中を叩いていただき、それが自信につながりました。

特に不具合の原因を突き止めることを得意としており、今までに数万本の時計修理やオーバーホールに関わってきた田村店長。ここからは質問形式でお尋ねしてみました。

■ 時計職人として日々心がけていること、どんな思いで時計に向かうのですか?

「常にスピードある仕事を心がけます。時計の状態に惑わされることなく、不具合の箇所、原因を正確に見極めること。それさえ出来れば早い、良い仕事につながります。」

■ 若い時計技術者たちにアドバイスするならば?

「技術は継承していくものです。自分自身がいつか技術を教える側の立場になるんだ、ということを常に思いながら日々学んで欲しいです。怖がらず、新しい技術に挑戦すること。自分から挑戦しなければ何も身につかないです。」
「自身の今後の目標は、もうひとつ、上のレベルの技術を身につけること」とさらなる向上を目指しております。

■ では時計職人として、お客様にお伝えしたいことはありますか?

「携帯電話の普及とともに時計をしない人が増えています。時計には歴史があり、素晴らしい技術の結晶です。こんな時計が廃れてしまうことのないように、みなさん時計を使ってください。そしてともに時を刻む人生のパートナーとして、きちんとメンテナンスをしながら、末永く愛用してください。メンテナンスはぜひともタムタイムにご用命ください。笑」