歩度調整について
質問者:ぽー 投稿日時:2008/05/14 23:04
お世話になります。
Sinnの356フリーガーを使用しております。5年前に購入した際は、日差+4秒程度でしたが、1年前に某量販店にリューズ交換の修理に出したところ、+8秒になってしまいました。更に、ここ数カ月は、+10秒になっています。機械式腕時計では、これくらいは十分許容範囲になるのでしょうが、オーバーホールをお願いして、どれくらいまで歩度を調整していただけますでしょうか?下の方と質問が重複している部分がありますが、なにとぞよろしくお願いいたします。
Re: /回答者:tamtime
投稿日:2008/05/15(Thu) 20:59:52
ぽー様、お問合せありがとうございます。
Sinn356フリーガーですとVal.7750クロノグラフでしたね。
今回は難しい質問です。
ゼンマイの力で動く機械式時計はユーザーのご使用方法や条件など、
また油の状態、時計の姿勢、ゼンマイの巻上げ量などが影響し、その精度は常に変化しています。
機械式の時計は「姿勢差」といって置かれた向きによって精度がかわります。
これは地球の重力や部品同士の摩擦などが影響すると言われています。
ゼンマイの巻上げ量も精度に影響します。
フルで巻き上げた時には充分なトルクを輪列に供給しますが
時間の経過とともにゼンマイがほぐれてくると精度を保つだけのパワーが不足します。
ユーザーのライフスタイルにより時計の使い方はさまざまです。
腕の振りの多い外回りの「営業職さん」と腕の振りの少ない「デスクワークさん」、
毎日使用する方、週末のみ使用する方、もしこれが同じ時計であっても
使用する人が変わるだけで精度はぜんぜん変わってくるのです。
油の状態もご購入された5年前と現在とでは全く違いますから
いつまでも同じ精度を保つのは不可能と言ってよいでしょう。
オーバーホールでは一般的に何通りかの姿勢で歩度の測定を行いその平均値で調整していきます。
デスクの上だけで測定機器を頼りに精度を調整しますので、お客様のライフスタイルに
マッチするのかは残念ながらわかりません。
デスクの上で日差+4秒に調整出来たとしても、ぽー様のお手元で日差+4秒を
保つことが出来るのかはわからないのです。
精度の高さを誇っている時計も、新品の状態での測定結果であって
その精度を何十年も保証するわけではないかと思います。
一般的にクロノメーター規格での許容範囲は新品の状態で
日差−4秒以内+6秒以内だったと記憶しています。
5年ご使用されたのち、現在の+10秒はとてもよい精度だと思います。
Re: /質問者:ぽー
投稿日:2008/05/27(Tue) 21:28:04
お返事が遅くなってしまいまして、申し訳ございません。なるほどなるほど、機械式時計って、なかなかデリケートなものなんですね。とても勉強になりました。これからも、愛着を持って、使っていきたいと思います。オーバーホールの際は、ぜひ、貴社様にお願いします。どうもありがとうございました。
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