時計についてのいろいろをお話する、ちょっとためになるブログ。

 「うるう秒」

今年の7月1日は 1秒 長い日となります。

【うるう秒の調整】
平成27年(2015年)7月1日(水)
午前8時59分59秒と午前9時00分00秒の間に 「8時59分60秒」を挿入します。

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「うるう秒」ってなに?

「1日」や「1秒」の長さはどのように決められているのでしょう。

古くは、地球の自転を基準にして「1日」という長さが決められ、その24分の1を1時間、さらにその60分の1を1分、その60分の1を1秒としていました。
しかし、時間を測定する技術が進歩して、原子時計で正確な時間が測定できるようになると、実は地球の回転速度にはムラがあり、いつでも同じ速度で回転しているわけではないことがわかってきました。

もし、地球の自転が遅い状態が続いたり、自転の速い状態が続いたりすると、地球の自転によって決まる時刻と原子時計によって決まる時刻のずれが大きくなります。そのようなとき、時刻のずれを修正するために「うるう秒」を実施します。

地球の自転速度は、原子時計と比較されながら観測が続けられていて、地球の自転と原子時計によって決まる時刻の差がプラスマイナス0.9秒の範囲に入るように、うるう秒による調整がおこなわれています。


たとえば西暦1990年頃には、地球は、原子時計を基準にした1日よりも、約2ミリ秒(1ミリ秒は1秒の1000分の1)ほど長くかかって1回転していました。

ということは、もしこの状態が500日間(約1年半)続いたとすると、地球の自転と原子時計の時刻の差が1秒に達することになります。

そのような場合には、うるう秒として1秒を挿入することによって、時刻の調整がおこなわれます。

うるう秒による調整は、12月か6月の末日の最後の秒(世界時)でおこなわれ、それでも調整しきれない場合には3月か9月の末日の最後の秒(世界時)でおこなわれます。

地球の自転が遅い(1回転にかかる時間が長い)場合には、59分59秒のあとに59分60秒として1秒を挿入し、その次の秒が0分0秒になります。反対に、地球の自転が速い(1回転にかかる時間が短い)場合には、59分58秒の次の59秒をとばして、0分0秒にすることにより、1秒減らすことになります。

ただし、世界時と日本時間では、日本時間のほうが9時間進んでいますので、日本では午前8時59分の最後の秒で調整がおこなわれることになります。

1972年にうるう秒による調整が開始されて以来、2014年末までに25回のうるう秒(いずれも挿入)が実施されました。将来のうるう秒実施時期については、地球の自転速度の変化を長期にわたって予測することができないため、知ることができません。

 

自然科学研究機構
国立天文台 HPより

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