皆さんは普段、どこに時計を置いてますか?
「毎日使用して、腕からはずした時計は、どこに置いておくべき?」
「この頃使う機会のなくなってしまった、あの時計、どうやって保管すればいい?」
時計がもっとも嫌がる環境ベスト3!
1.埃っぽいところ
2.湿気が多いところ
3.強い磁気の影響を受ける場所
その他にも・・・
×直射日光が当たる場所
×温度差が激しいところ
×火気の近く!
×強い振動のある場所
×高温な場所
今回は時計の保管にまつわるお話し。
さて、皆さんも埃や湿気が時計にとって良くないことは知っていますね。
では「磁気」について、どれだけの方がご存知でしょうか。
最近、大手メーカーでも注意を促している「磁気」について
少しだけお話ししてみましょう。
私たちのまわりにはテレビやパソコン、携帯電話、オーディオスピーカー、
家具や冷蔵庫のドアのマグネット、ハンドバッグのマグネットなどなど
磁気の発生源はいたるところに存在します。
これらから発生する磁気は時計の作動に大きな影響を与えます。
機械式・クォーツ式の時計は、磁気帯びを起こすと、内部の部品などが磁化してしまい、精度に大きな問題を起こすことになります。
一時的な磁気の影響であれば、磁場から離し時刻を合わせてあげることで回復し
正常に作動しますが、機械内部に強い磁気が残留してしまうと、磁場から離れても
常に磁気が影響を及ぼし、時刻が狂ったり、時には止まってしまうことにも
なりかねません。
磁気帯びしてしまった時計は脱磁(磁気を取り除く作業)をする必要がありますので
専門の時計技師にご相談ください。
当店でも、まれにメンテナンス直後にも関わらず、「時刻が合わない」「精度が良くない」とご相談いただく方がいらっしゃいますが、再度お調べすると磁気帯びを起こしている
場合がとても多く見受けられます。
テレビやパソコン、携帯電話の近くは強い磁気がありますので
保管される際には要注意です。離れたところに保管してくださいね。
時計を長期間保管する場合は、柔らかい布(セーム)などでよく汚れを拭き取り、
よく乾燥させた後、保管ボックス(ケース)などに入れておくのがベストですね。
お菓子などの袋に入っている「たべられません」という乾燥剤をボックスに入れている方もいらっしゃるとのこと、これなら万全ですね。
タムタイムでは、修理、オーバーホール後、専用ボックスにお入れして、お送りしておりますので、そちらをご利用いただいても結構です。
![tamtime_original_box.jpg](http://tamtime.net/blog/tamtime_original_box.jpg)
![tamtime_original_box_open.jpg](http://tamtime.net/blog/tamtime_original_box_open.jpg)
自動巻き腕時計(機械式)などの保管で、ワインディングマシーンについても
触れておきましょう。
tamtimeメンテナンスの立場から考えますと、手巻式や自動巻式の時計は、
常に動いていた方が良いと思われます。常に動いていることで精度も安定してきます。
長い間、止まったままですとムーブメントの油が時間とともに酸化などの影響により
固くなってきます。
現在の潤滑油は性能が上がっているので、定期的なオーバーホールを行っている方は
心配ありませんが、そうでない方は長い期間、止めたままにしておくことは問題ありです。
![](http://tamtime.net/blog/mechanical_f15-thumb.jpg)
![](http://tamtime.net/blog/equipment_f10-thumb.jpg)
ただ、いくつもの自動巻時計を、とっかえひっかえつけてらっしゃる方や、
永久カレンダーなどの機能のついた時計をお持ちの方は、時計が止まってしまうことで
時刻合わせやカレンダー調整など、やはりお手間もかかり面倒ですよね。
そこで、「時計を止めないため」にワインディングマシーンをご使用されれば最適ですね。
いまではディスプレイケースをかねた高級品もたくさんありますね。
基本性能はあまり変わらないと思いますが用途に応じて
お選びいただければ良いのではないでしょうか。
ここでワイポイントアドバイス!
ゼンマイの巻き上げはワインディングマシーンの回転だけに頼ると
つい、巻上げ不足になる場合があります。
でも止まるに至らないため、慢性的に巻不足でご使用されている方が非常に多く
みられます。
時々、手動でゼンマイをフルに巻上げてからご使用いただくことをお薦めします。
この状態が、時計が最大トルクで作動する最適な状態なのです。
ワインディングマシーンはゼンマイを「巻上げるための道具」というよりも、
「止めないための道具」ということを覚えておいてください。
ワインディングマシーンをご使用になるということは、時計が休む間もなく作動し続け
毎日使っているのと同じこと、定期的なメンテナンスは是非お忘れにならないように
心がけて下さいね。
わたくし個人的にはワインディングマシーンは使っておりません。
使用する前にはいつも手動で巻上げております。
数年前まではワインディングマシーン自体が一般的には
存在してなかったのですから、なくても不自由は感じません。
あくまでわたくし個人的には、です。
調査では、意外にも?専用ボックスを持ってる方が、18%もいらっしゃるのには、
びっくりしましたが・・・。
保管場所の調査 ※参考データ
http://www.e-tkb.com/watch/anq2004/index2.html
皆様の大事な時計、保管には充分お気をつけくださいね。
tamtime